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起業に至るキャリアパス 〜キャリアに行き詰まって社長になった話〜(2)

起業に至るキャリアパス 〜キャリアに行き詰まって社長になった話〜(2)

社長がゲーム会社を起業するまでを語るブログ、第2回目です。

未読の方はコチラから先にお読みください。

前回までのあらすじ

紆余曲折を経てゲーム業界に転職し、子供の頃からの夢を叶えつつあった社長。
しかし、ソシャゲバブル、ネイティブシフトの荒波に揉まれ、自身のキャリアパスと向き合い直さざるを得なくなっていく…!

 

独立創業時に考えていたこと

市場の変革期は積み上げたキャリアが無駄になってしまうかもしれないピンチでもありますが、皆が同じ条件から新たに競争をリスタートできるチャンスでもあります。


特に、スマホネイティブの分野は、一応はガラケーアプリでのゲーム開発と地続きの面もあり、自分にはアドバンテージもあると考えていました。

しかし、ガラケーアプリがどこまで行っても「所詮はケータイ」であるのに対して、iPhone勃興後のいわゆる「ネイティブシフト」が、むしろスマホネイティブ市場をゲームの主戦場に持っていきそうな気配を感じさせました。
後に「パズドラ」登場後、その予感は確信になります。

最大手に在籍して「主戦場」になっていく市場で戦う以上、求められる能力も業界最上級ということになります。
残念ながら、この段階においてもまだ圧倒的に「ゲームを作る能力」に劣っていた自分が選択できるキャリアパスは以下でした。

(1)競争に打ち勝ちながら業界最上級のスキルを獲得していく
(2)キャリアパスを「管理職」の方向にズラしていく (つまり「出世」する)
(3)環境を変える

私が選択したのは(3)です。
実は元々(子供の頃から)「いつかは自分の会社で」と考えていたという事情もあり、(1)と(2)はいずれもその希望から一旦遠のく道だと思えました。
この時点で30代半ばだったので、「もう1周するには時間切れだった」という言い方が、自分の中でしっくりきます。

その後の経緯

当初書いた結論に戻ります。
私の場合、以上のように、有り体に言えば「キャリアが行き詰まったので独立することにした」というのが正しい捉え方だと思います。

取り繕わずに言えば(1)の方向でキャリアを積んで行ける自信がありませんでした。
結果を出さなければチャンスも与えられない業界ですので、結果を出すスキルが足りない人間が、「結果を出しながらスキルも積んでいく」のはちょっと無理ゲーだなと。

ただ、敢えて取り繕った言い方が許されるなら(1)のキャリアを進む場合、「そんな茨の道を血を吐きながら進むなら、すべてのリスクとリターンを自分で取ったほうがいいじゃん」と思ったのも事実です。(そのくらい大変な道なのよ?)
また、一貫して「なんでも屋」として歩んできた自分にとって最も腹落ちした道でもありました。

再度転職するのではなく「自分で事業を興す」という選択をしたのは、これが理由です。

GAGEX創業後、当初ガラケーWeb向けのオリジナルタイトルをリリースし、大失敗します。
自己の創業資金+親からの出資+金融機関からの借り入れをつぎ込んだプロジェクトでしたが、ほぼ全額失いました。

この時点においても自分の「ゲームを作る能力」の欠如に悲嘆し、また、であるにも関わらず過大な投資を自己にしてしまった自分の愚かさと甘さを再認識します。

その後、初のスマホアプリ『昭和駄菓子屋物語』がヒットし現在に繋がりますが、この話はいずれまた。

今考えていること

私はおそらく、一貫して「自分が何者なのか」と「何者でもない自分に」コンプレックスを抱えて生きてきたと思います。
しかしながら、齢40を迎えて、ようやく「自分のゲーム」を作れるようになってきました。
もちろん、周囲の皆さんの力を借りてですが。

そんな私が今、キャリアを振り返って感じていることをまとめます。

 

なんでも屋であることの自覚

「得意なものが無い」のではなく「なんでも屋」つまり、マルチスキルであることが自分の強みと自覚してからはキャリアを選択できるようになってきたと思います。
キャリアに対する不要な恐れも無くなりました。
しかし、その分突破力を失い歩みは遅くなったと思います。
もし同様の悩みを抱えている人がいればこのブログが少しでも参考にでもなればと思います。

 

◯「ゲーム作り」において何のプロフェッショナルであるべきなのか? (だったのか)

思い返してみると、学生時代にゲーム業界を志望しながら一歩踏み出せなかった理由として「別にプログラマになりたいんじゃないんだよな」という自認があったと思います。
ゲームをプログラムしたいわけでもなく、ゲームの仕様を書きたいのでもなく、ただ「ゲームが作りたかった」のですよね。
しかし、いわゆる「新卒採用=シューカツ」の現場では「何のプロとしてエントリーするのか」を自ら宣言する他無く、ここに対する違和感を拭い去れなかったように思います。
私が、改めてやはり「ゲームを作りたい」という思いを再認識してから、その希望を(進行中ですが)叶えるために20年近くかかり、自己資金で創業するリスクを取るという遠大な道が必要でした。
が、今思い返してみれば、もっとショートカットは可能だったはずとも思います。

インターンの質問への答え

冒頭に上げたインターン生からの質問への回答です。

 

  • なぜ社長自身はゲーム業界を志望したのか
  • 大手から独立するに至った経緯

このブログ全体が回答です。

 

  • 今までに経験していて良かったこと

新規事業の立ち上げを通して未開拓、未分化のビジネスを担当できたことです。
全体を俯瞰する知識、能力を得て、独力で事業推進できるようになりました。
あと、この記事には書いていませんが「ほんとに死ぬかも」ってくらいまで追い詰められたり失敗したことですかね。
死んじゃだめですよ。
死ぬ直前ね。
サイヤ人みたいな。

 

  • 学生のうちにやっておくべきこと

是非ゲームを作ってください。
1本と言わずできるだけたくさん。
Unityを使えば無料で何か作れます。
気の合う仲間と作ってもいいでしょうが、多くても3人まで、できれば1人で。
それ以上多いと不要なことに時間を取られて本質を見失います。

作って世の中に出してください。
私の時代にはそれができませんでした。
いや、できないこともなかったけど、ハードルが高すぎました。

作ってみれば、自分の強みと弱みが見えてきます。
作ったものがあれば、自分の力をすぐに証明できます。
チャンスも早く与えられるでしょう。

やってみて楽しければ、向いている道でしょう。
作ってみて才能が無いと感じても諦める必要はありません。
でも楽しくなかったら、辞めたほうが良いかもしれません。

 

もし1人では難しいと感じる人や、チームでのゲーム開発に参加してみたいというひとは、ぜひGAGEXに来てください。
皆さんの理想にどれほど近い環境かはわかりませんが、GAGEXにはオリジナルのゲーム開発に参加できる門戸が開かれています。

GAGEXでできること(とお礼)

最後になりますが、こうして自分のキャリアを振り返ってみて、改めて適切なチャンスを与えて頂けた幸運に思い至りました。

素人同然だったSE崩れに新規事業を任せて頂けたこと、多少経験積んだだけの駆け出しに重要なIPを預けて頂けたこと、いずれも存外の幸運であり感謝に絶えません。
「任せる」ことの難しさが多少わかるようになってきた不惑の身になって、ようやくその恩が身にしみて参りました。

フロム・ソフトウェアと、スクウェア・エニックスでお世話になった皆様には、この場を借りてお礼を申し上げたいと思います。
こんなところで申し訳ないですけれども…。

今度は私から業界への恩返しとして、同じ道を志す若者に、無駄に長くない程度に険しい道を提供してあげられたらなと感じています。

最終的に「何のプロだかわからない」ってキャリアパスもあります。
私がそうです。

また、自分のキャリアパスの延長線上にうっすらとでも「独立」や「経営者」が見える人にはこの記事は役立ったかもしれません。
そういう人にはGAGEXは有益な体験を届けられるかもしれないし、そういう組織でありたいとも思っています。

 

GAGEXでは、こんな人達とゲームを作りたいです。

  • そもそも自分は本当にゲーム作りたいのかわからない若者
  • ゲーム作りは楽しいが専門分野を限定したくないと感じている若者
  • ゲーム業界に入ってどうキャリア形成できるのか不安な若者
  • 専門分野を突き詰めていくのが「正直しんどい」と感じているベテラン
  • 「オレあと何本ゲーム作れるんだろう…」と悩むベテラン
  • 作りたいものがあるが作るチャンスと環境がないすべての人

 

そして自己の経験から、こういった悩みに陥りがちな『マルチプレイヤー』を受け入れる組織でありたいと考えています。

 

GAGEXで理想とするモノづくり(次回予告)

良いゲームを作るためには良いチームが必要です。

私の理想とするチームは、

『小さな組織の中で、個々人が自分の得意分野を深めながらも職域を超えた範囲までコミットし、助け合えるチーム』

です。

 

飛び抜けた才能や異才の持ち主の集団ではなく、「少しずつ得意分野の異なるマルチプレイヤー」の協働によるモノづくり。

これが、弊社のように小さな会社が「良いゲーム」を作り続けるための秘訣であり、競争に打ち勝つための武器であり、大手とは異なる意味でGAGEXという会社が『存在すべき理由』であると、今は考えています。

 

次回はこれについてもう少し触れていきたいと思います。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

imura

imura

代表取締役

1976年2月、東京都生まれ。B型の水瓶座。
幼少の頃よりファミコンとジャンプに抱かれて育つ。

いつかゲームメーカーを経営することを夢見るモテない少年期を過ごす。
学生時代は麻雀(弱い)と格ゲー(弱い)にまみれて過ごし、2年留年。
恐怖の大王が降ってこないことを確認した後、就職する。

その後、大手ゲームパブリッシャーでのモバイル(フィーチャーフォン)向けコンテンツ事業の経験を経て、2011年春、株式会社GAGEXを設立。

初めて触ったパソコンはPC-8801mkIIFR。
趣味は読書と映画、いずれも最近は摂取する時間なし。

2児の父。