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「懐かしさ」って何だろう。~懐かしいゲームを作っている会社です~

「懐かしさ」って何だろう。~懐かしいゲームを作っている会社です~

どうも社長です。
数回に渡ってちょっと固いお話を書きました。
今回からちょっと肩の力を抜いたのを、お届けしようかなと思っています。

「懐かしさ」って何だろう?

「懐かしい雰囲気のゲームですね」と、よく言っていただけます。
弊社最初のスマホアプリである「昭和駄菓子屋物語」以降、確かにいわゆるノスタルジーを感じさせるゲームを多く作ってきました。

そんな経緯もあって、最近少し、この「懐かしさ」というものの正体について考えることがあります。

よく考えてみたら、懐かしさって何でしょうね。
「嬉しい」とか「恋しい」とか、「切ない」とか、似た感情を使って説明できそうですが、どうも本質をグッと捉えたような気がしません。
でも少なくとも言えるのは、とてもポジティブな感情だということじゃないでしょうか。
嫌な思い出に対して「うわぁ、懐かしいなぁ」って思うことは少ないように思います。

私の話になりますが、例えば夏休みとか、長めの時間が取れたときに、昔住んでいた場所を散策してみるということを良くやります。好きです。
幼かった頃に毎日見た風景、若かりし頃に考えていたこと、なんか思い出しながら一人で街歩きすると、さまざまな思いが蘇ってきますが、基本的に幸福な感情しか湧いてきません。
嫌なことも山程あったと思うんですけどね。

我ながら少々懐古主義的で後ろ向きな習慣なのかなと思うこともあるのですが、初心に帰ったような気持ちにもなれて、良いものです。
同じようなことをしたことある方も、多いんじゃないでしょうか。

海を見た時の話

話変わります。
海を見たとき、「わー海だー」って言っちゃいません?
私は言います。
口に出さずとも、少なくとも心のうちで言ってます。

でも「空だー」とか「山だー」って、あまり言ったこと無いのですよね。
「海を見てキレイだと思った」とか「広いなーと思った」とか、「突然眼前に現れて驚いた」とか、それぞれ説明可能な解釈はあると思うのですが、どれもしっくりこないのです。

これ、「懐かしい」に似てるなと思っています。
けっこう、プリミティブな、基本的な感情なのかもしれません。「懐かしさ」。
たぶん、アウストラロピテクスとかも海見たとき「うほー!」とか言ったと思うんですよね。

(余談)
「ドラゴンクエストVIII」のフィールドで、初めて海が見える場所、覚えてますか?
地名は忘れましたが、長めの坂を登りきると眼下に広がるようにできてたはずです。
「海だー」って500万人くらい言ったと思います。
優れたゲームは優れた体験を与えてくれるものですね。

 

新作「あの頃の夏休み ~心にしみる昭和シリーズ~」は瀬戸内海のとある島が舞台のゲームです

「うま味」の話

また話変わります。
「うま味」っていう味覚があります。
酸味(さんみ)・甘味(かんみ)・塩味(えんみ)・苦味(にがみ)に続く5番目の味覚で、うま味を感じる器官が人間の舌にはあり、うま味を感じさせる物質(グルタミン酸)が存在することも、科学的に立証されているそうです。

ここからは聞きかじりの知識ですが、かつて、この味覚が存在するという日本人の主張は世界的には受け入れられず、他の味覚の組み合わせで発生するものだと考えられていたそうです。
特に欧米では。
日本には「出汁」の文化があり、うま味が味覚として認知される素地があったのだそうな。

「懐かしさ」も、もしかすると「うま味」みたいに、喜怒哀楽に続く「第5の感情」みたいなものなんじゃないかと考えることもあります。
言い過ぎか。

仮説

散文的になりすぎたので、自分なりの仮説をいくつか。

(1)良い思い出を使って自己肯定している

過去にあった出来事の中から、自分にとって心地よい記憶だけを選び取って再生することで、そこからの地続きである現在と、そこに立つ自分を肯定するのに使っている。のかもしれません。
ただ、実は「懐かしさ」って自分が知らない時代に対しても感じるんですよね。
大正時代の写真とか見たときとか、映画「三丁目の夕日」だって、あの時代をリアルに知っている視聴者は過半数以下だと思います。
これだと、やや理屈に合わない。

(2)不確定な未来への恐怖に対するアンチテーゼ

未来は常に不確定で恐怖に満ちてます。
いつか必ず死ぬしね。
それに対して、過去は常に確定していて、記憶を取捨選択することで自ら意味付けも可能です。
未来を生きていく不安に対して、それを和らげる効果がある、のかもしれません。
これはやや、納得感ある。

(3)現実逃避

「ここじゃないどこか」に思いを馳せることで、辛い現実を忘れる。
これも、ありそう。
「懐古厨」なんて言葉が生まれるのも、「懐かしさ」のこの負の側面を批判するものなのかもしれません。
歳取ってくるとどうしてもね…。許せ若者よ。

懐かしさが多い人生はいい人生

さて、結論はよくわかりません。
けども、書いていて思ったのは、懐かしい思い出が多い人生はきっといい人生だなということです。

私自身そう在りたいし、息子たちにも良い思い出をたくさん残してあげたいなと思いました。
家帰ったらゴロゴロしてばっかり居ないで。

ちなみに、最近、僕がゴロゴロすると上の息子は「ゴロンしないでーっ!」って言います。

いつか懐かしく思い出してもらえるゲームを

最後に、僕の愛する言葉を引用して終わります。
実際ちょっと恥ずかしいんですけどね、これ、たぶん何度も使います。

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子どもたちに、この世は生きるに値するんだ、ということを伝えるのが、
自分たちの仕事の根幹になければいけないという風に思ってきました。
それは今も変わっていません。 宮崎駿

2013年の引退会見より

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撤回したけど。

結局のところ、「懐かしさ」の正体がなんであれ、人生が「生きるに値する」と再確認させていくチカラがあるんじゃないのかなと、感じています。
それが少々ご都合主義だろうと、現実逃避だろうと。
そうじゃないと、やってられねえっていうかね。

今は懐かしい感じのゲームを作っていますが、いつか作品自体が懐かしく思い出してもらえるようなものを作りたいと思います。

ということで、懐かしいゲーム作ってるよ! ふたつも!
おしまい。

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imura

imura

代表取締役

1976年2月、東京都生まれ。B型の水瓶座。
幼少の頃よりファミコンとジャンプに抱かれて育つ。

いつかゲームメーカーを経営することを夢見るモテない少年期を過ごす。
学生時代は麻雀(弱い)と格ゲー(弱い)にまみれて過ごし、2年留年。
恐怖の大王が降ってこないことを確認した後、就職する。

その後、大手ゲームパブリッシャーでのモバイル(フィーチャーフォン)向けコンテンツ事業の経験を経て、2011年春、株式会社GAGEXを設立。

初めて触ったパソコンはPC-8801mkIIFR。
趣味は読書と映画、いずれも最近は摂取する時間なし。

2児の父。